面白い旅をしてきたね、最近そう言われた。
旅の話をしたわけではない。
若い時のお勤めしていた頃の話だった。
それなのにその人は旅だと言った。
奥の細道の冒頭部分が若い頃は好きではなかった。
これから出立しようとするには、じじ臭い感じだったからだ。
でも、
船頭や馬子らは毎日が旅で旅そのものをすみかとしている、との一文が
歳をとってくるとストレートに響く。
今はここが一番好きである。
こんな人生でもいいんじゃないと言われている気にもさせられる。
松尾芭蕉のその当時の年齢を超えたであろう、
ばばに芭蕉もこんなこと言われたくないかな。