滋賀県 彦根ゲストハウス無我 ママさんのブログ

漂泊の旅・第二の故郷、としての【宿り】の場所を作っていきます。宿泊される方の思いをしっかり見つめて、模索する日常のあれこれを記します。

嫉妬の淵

旅をして多くのドミトリー宿に泊まってきた中で、

 

ちょっと珍しい同室者だったなあと思える人がいる。

 

「私は、この宿の個室に泊まっている親子の同行者です。

 

子供さんが重度の身体障害者ですが、お母さんがどうしても旅行をさせたいと言って

 

車で連れて来ました。私は福祉系の大学生。実習で親子と知り合いました。」

 

と彼女は淡々と教えてくれました。

 

よっぽど、そのお母さんは学生さんである彼女を気に入ったのでしょう。

 

よっぽど、お母さんは決意が堅かったのでしょう。

 

お母さんだけの自己満足と言われようが、いいんだ。という。

 

実際、寝たきりの大きな子供を二人(母親と同行の大学生)

 

で抱えての車と個室への往復は凄みがあった。

 

相部屋に泊まった彼女から、この親子についての話や自分自身の将来の話なども

 

たくさん聞かせてもらったと思う。

 

が、この童顔だけど大人である大学生に私は軽い嫉妬の感情があった。

 

ここまで、このお母さんに信頼されている。

 

その信頼に応えてあげている、この子。

 

旅の途中、雷に打たれた瞬間であった。

 

 

 

 

おそらく、令和の現在の方が、

 

医療・福祉の制度やサービスは格段に発達したはずだ。

 

肝心の当事者の満足感は満たされているのだろうか。

 

信頼関係ってモノが、やっぱり最重要かな。