滋賀県 彦根ゲストハウス無我 ママさんのブログ

漂泊の旅・第二の故郷、としての【宿り】の場所を作っていきます。宿泊される方の思いをしっかり見つめて、模索する日常のあれこれを記します。

優しさは少量で充分

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歯医者に3日毎、通うことになっていた時

予約日に行くと、

何か様子がおかしく、

胸騒ぎがした。

 

10年も前の話、、、、

 

入り口に「院長急死につき、、、」の慌てて書いたような手書きの貼り紙と

足元にお供えの花の束。

 

3本の指に入る(と言われた)難治療をしてもらった直後であった私は、

信頼できる人物を突然失い、泣けてしまった。

看護師の端くれである私は、優しい医療者であるか見抜く力くらいはある。

 

人への優しさは控え目にして、

長生きして欲しかった。

多分私と同じくらいの年齢だったと思う。

 

その歯科医が施した奥歯1本は、力尽き昨年抜歯となった。

10年、私の風雪に満ちた10年を持ち堪えさせてくれた。

実際、奥歯が無いと噛み合わせが悪くて力が出ない。

でも、仕方ないって受け入れて生きている。

救いだったのは、抜歯の時「残念ですが抜歯します」と

現在のかかりつけ歯科医に言われたこと。

急死した歯科医に、面識のない歯科医が優しく労ったかのような響きがあって

泣けた。