彦根ゲストハウス無我の女将のブログ

漂泊の思い・第二の故郷、としての【宿り】の場所を作っていきます。パンデミックの中、模索する日常のあれこれを記します。

乗り越えてきた先にある旅

f:id:norimurata:20210428231830j:image

ゲストハウス無我にはこれまでに、

病気でハンディキャップがある旅人さんが何人かお泊まりくださいました。

本当に【よくウチへ来てくださいました!】と嬉しかったです。

外国人も日本人も。

そのうち心に残っている方々のお話をします。

一人目、日本人の男性、一人旅です。予約時の電話で人工呼吸器を持っていくことを

お聞きしていました。私は呼吸器内科で勤務していたことがあり、すぐ分かりました。

超小型の装置で、手元に電源さえあれば支障ないことを双方確認しました。

相部屋でしたが、人目につきにくいベッドの位置に配慮しました。オーナーにも

大丈夫であることを説明、僕が電話とっていたらよくわからないから断っていたかも

と言っていましたね。一泊二日滞りなく過ごされていきました。

二人目、中国人の男性、は舌癌で舌をほとんど切除していました。発声出来ないので

無視していると誤解を受けるかもという点と、流動食を大きな吸入器でノドへ押し込む

のでビックリされるかもという点をチェックイン時にご自分から申し出られました。

ハイハイ、オーナーと私とでサポートしましょう!どんとこい。事前に知らされて

いると考え込んだでしょうが、チェックイン時の申出が幸いして結局丸く収まりました。

なんと蓋を開けたら、

言葉を発しない、変わった食べ物を食している、

そんな奇異であろう人の姿は他の旅人の中で

奇異でもなんでなく、ただの今日の宿泊者になっていました。

こちらも敢えて説明も紹介もしなかったんですけどね。

流動食もみんなの前ですっかり終わっていて、誰も普通にしていました。

不思議です、ニコニコした表情や佇まいだけで、初めて会う人と

十分コミュニケーションがとれているのが分かりました。

言語って何?ハンディキャップって何よ?と目の当たりにしたのでした。

三人目、持続式注射器を着用中の外国人。

インシュリンを絶えず注射で体内に送り込まなければいけない糖尿病ですが、

外見からは全くわかりませんでした。それくらい小さな器械でもあります。

しかし、彼はチェックアウトの時「邪魔になったので棄ててほしい」と

大量のディスポ(一回限り使用できる)の

新品のインシュリン用注射器を渡されたのです。

それは今使用している持続式注射器とは違うので不用になっているのでしょう。

、、、、異国の地でどんなトラブルがおこるかわからない。

、、、、急にディスポの注射器で代用しなければならないこともある。

、、、、そもそも、代用の可能性があるから持ってきたのでしょう。

、、、、無事旅行を終えるまで持っていた方がいい。

ってことを私は多分凄い形相でツノを立てて説教しました【【【日本語でーーー】】】

圧倒された彼は、そのインシュリン用注射器を自分のバッグに仕舞いました。

帰国後、メッセージが届きました。

感謝の意を感じるものでした。

 

皆さん、諦めてなんかいません。諦めないことが普通です。

理解、いえ言語さえも超越しています。

貴重な経験をさせていただきました。

 

これを書いていて、森進一の襟裳岬が頭の中に流れてきました。

    ・・・ わけの分からないことで悩んでいるうちに・・・・
    ・・・ 日々の暮らしはイヤでもやって来るから静かに笑ってしまおう・・・

つまらない先入観・人間関係に惑わされずシンプルに生きようぜ、と立ち返る力が湧きます。