みかん入りおにぎりに続き、芯のあるおにぎりの話。
かなり昔、私が小学生低学年の頃、猛烈な台風の夜に子供だけ先に避難をする事になった。
町内会長さんだったかが一軒ずつまわり、子供ばかりを連れ立って
近くの紡績工場の社宅の空き室に避難した。
社宅は鉄筋五階建てくらいだったと思う。
最上階の部屋で雑魚寝。
空き家だったからか、台風のために停電していたのかは定かでないが、暗かった。
それでも、近所のおばさんがご飯を炊いてくれて(どうやって炊いたのか不明)
おにぎりにしてみんなで食べた。
芯が残る固くて喉が詰まりそうな食感はいまだに記憶に残っている。
それでもみんな笑って食べた。
その後は懐中電灯の元で、きゃっきゃと遊んだ。
それぞれの家が床下浸水になって、親達は不安な夜を自宅で過ごしていただろうに。
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おかげ様でそれからは、被災しても避難先で一夜を過ごすことは今のところ無い。
いろいろショッキングな浸水の場面を目にした記憶があるが、
子供の時の目と大人の目は違うので、今なら同じ場面でも違う記憶が残るのかと思う。
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また、違う角度から言えば、親と離れて子供同士で雑魚寝した初めての体験でもあった。
私の「泊まる」という原体験がこれである。