高校時代の古典の授業。
古典の男性教師が黒板に百人一首のうちの一首を書いた。
【玉の緒よ 絶えなば絶えねながらえば 忍ぶることの弱りもぞする】
そして「これの意味を答えなさい」と、私が指名された。
自分じゃないみたいに(取り憑かれた笑)
「私の魂よ消えてしまえ。そうでないと貴方への気持ちを
抑えていることができなくなる」と、つらつら答えた。
と同時に教師をはじめ、クラス内から響めきが起こった。
「ちょっとなんか怖かったな」と古典の教師が言った。
念のため、この教師にもこのクラス内にも私には何の感情のかけらもなかった。
無味乾燥な日々だったから、執念や恨みがこもって聞こえたのだろう。
一生懸命に思いを込めても、表せないこともあるのに
言葉の魂って不思議だ。