「あなたのご両親はちょうど自分と同じ世代だから、
例えば今年は掃除機を買った、来年はラジオを買おうか、、
っていうように一つ一つ買って大切に使っていったはずだよ。
そういう中で子供を育てていったんだよ。」
と、私が旅でよくリピートしていた宿の受付のおじさんに言われた言葉。
言われなければ、親のことをそんなふうに思うことはなかった。
両親はあまり昔話をしない。
多分、「あの頃はみんな同じだったよ」というだけだろう。
受付のおじさんは、私の理想とする渋さと公平さのバランス感覚に優れた方で、
チェックインの僅かな会話でも永遠を刻みたい人であった。
もうすぐ家の35年ローンを完済するの〜なんて仰っていたこともあった。
月に10万くらいの賃金だよ〜、とも。
今になって思えば、シルバー人材で宿直をされていたのだろうか。
最後にお会いして、もう十数年経ってしまい
宿が閉鎖したことを知ったが
おじさんはお元気にしていらっしゃるのか分からない。
たくさんの旅人に愛情を注ぐ姿が目の奥に焼き付いている。
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