2年半前になるが、H病院の外科病棟に入院した時の思い出話。
同室のお向かいのベッドの患者さんは
私より1〜2日前に緊急手術をしたと推測されるS子さんだった。
私よりは10才位はお若かっただろうか。
あいさつ程度で会話をしなかったが、漏れ聞こえるというか、豪快過ぎる話が、
嫌でも耳に入ってきて楽しませてもらったのだった。
S子さんは絶食になってしまったが、食に対する欲望は破格。
「噛んだら飲み込まないで吐き出すから、噛ませて欲しい」と医療者に懇願したり、
「顔の近くでチョコレートを食べてよ。匂いだけ嗅ぎたいから」と面会者に言ったり、
「○○のラーメン、こってりのやつと、△△のレバニラって気分です」と朝回診で答えたり。
それむしろ辛いでしょ、ここは中華料理店じゃないし、朝から重すぎでしょ、
とツッコミたくなる受け答えばかりをするS子さん。
ほぼ医療者はS子さんの豪気な言動にストップをかけようとはしていなかった。
が、一人だけ【デキる】ナースとは抑制の効いた会話をしていて驚いた。
S子さん人を見ているぞ、頭イイ。
ナースも実力も花もある人だったし。
意外なところでレバニラの美味しい店を知ることになって、
おかげ様で時々出かけている私だが、
S子さんは元気にしているのだろうか、、、、。