当時テレビで見た、
津波で母親を亡くした中学生の女の子の言葉が忘れられない。
「もっとお母さんと一緒にスーパーへ買い物に行きたかった」
私は、打ちのめされた。
今でもこの衝撃は心の中にずっとある。
ありふれた日常の簡単なことが幸せであったのだと、
気付かされた。
実家に帰ると、母親と必ずスーパーで買い物をする。
いや、母親とスーパーで買い物をするために、帰省する。
私の母に、この女の子の話をしようかと思うが、
していない。
母も私も号泣すること間違いないから。
そうか、
この女の子はすでにどこかでおかあさんになっているかもしれない。
自分の子供とスーパーへ買い物に行っているかもしれない。
7年という月日が流れたのだ。